反応機構描けるようになる本
大学の有機化学で躓きやすいのが、反応機構のところ。
高校化学では扱わない内容で、なんでこうなるのっていうところがたくさんある。
だから、たくさんの反応の型みたいなのを身に着けて、ある程度は暗記しなければならない。
それを手助けしてくれるのがこの本。
これは、The Art of Writing Reasonable Organic Reaction Mechanisms,3nd ed.の翻訳書であり、奥山先生が翻訳しています。
どのような有機反応に出合っても合理的な反応機構が書けるようになるための書であり、読者対象は初学者ではない有機化学を学ぶ人。
“反応機構は出発物と反応条件によって決まる第1段階が重要である”という考えにより、反応条件ごとに章立てしている。
各反応を電子の流れで示すことで、メカニズムと電子論が理解でき、有機合成反応に対する幅広い知識を習得できる。
遷移金属介在反応と遷移金属触媒反応についても取り上げ、有機反応機構の立場から有機金属化学の考え方を解説してある。
この改訂版では、表現の改善のほか,生化学反応の機構やC-H活性化などを加筆されている。
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内容は以下の通り
1 基本的事項
1.1 有機化合物の構造と安定性
1.1.1 構造式を書くときのルール
1.1.2 Lewis構造式と共鳴
1.1.3 分子のかたち:混成
1.1.4 芳香族性
1.2 Bronsted酸性度と塩基性度
1.2.1 pKa値
1.2.2 互変異性
1.3 反応速度論と熱力学
1.4 反応機構を書く前に注意すること
1.4.1 反応式の化学量論と読み方
1.4.2 反応で切れる結合とできる結合
1.5 変換反応の種類
1.6 反応機構の種類
1.6.1 極性機構
1.6.2 ラジカル機構
1.6.3 ペリ環状反応機構
1.6.4 遷移金属触媒および遷移金属介在反応機構
1.7 まとめ
2 塩基性条件における極性反応
2.1 置換反応と脱離反応
2.1.1 SN2機構による置換
2.1.2 E2とE1cB機構によるβ脱離
2.1.3 置換と脱離の選択性
2.2 求電子性π結合への求核種の付加
2.2.1 カルボニル化合物への付加
2.2.2 共役付加:Michael反応
2.3 C(sp2)-X σ結合における置換
2.3.1 カルボニル炭素における置換
2.3.2 アルケニルとアリール炭素における置換
2.3.3 金属挿入:ハロゲン―金属交換
2.4 C(sp3)-X σ結合における置換と脱離
2.4.1 SRN1機構による置換
2.4.2 脱離-付加機構による置換
2.4.3 一電子移動機構による置換
2.4.4 金属挿入:ハロゲン―金属交換
2.4.5 α脱離:カルベンの発生と反応
2.5 塩基で促進される転位反応
2.5.1 CからCへの移動
2.5.2 CからOまたはNへの移動
2.5.3 BからCまたはOへの移動
2.6 二つの多段階反応
2.6.1 Swern酸化
2.6.2 光延反応
2.7 まとめ
3 酸性条件における極性反応
3.1 カルボカチオン
3.1.1 カルボカチオンのエネルギー
3.1.2 カルボカチオン発生法:プロトン化の役割
3.1.3 カルボカチオンの典型的な反応:転位
3.2 C(sp3)-Xにおける置換とβ脱離反応
3.2.1 SN1とSN2機構による置換
3.2.2 E1機構によるβ脱離
3.2.3 置換と脱離の選択性
3.3 求核性C=C π結合への求電子付加
3.4 求核性C=C π結合における置換
3.4.1 芳香族求電子置換反応
3.4.2 ジアゾニウムイオン
3.4.3 脂肪族求電子置換反応
3.5 求電子性π結合における求核付加と置換
3.5.1 ヘテロ原子求核種
3.5.2 炭素求核種
3.6 まとめ
4 ペリ環状反応
4.1 はじめに
4.1.1 ペリ環状反応の種類
4.1.2 ポリエンの分子軌道
4.2 電子環状反応
4.2.1 代表的な反応
4.2.2 立体特異性
4.2.3 立体選択性
4.3 付加環化
4.3.1 代表的な反応
4.3.2 位置選択性
4.3.3 立体特異性
4.3.4 立体選択性
4.4 シグマトロピー転位
4.4.1 代表的な反応
4.4.2 立体特異性
4.4.3 立体選択性
4.5 エン反応
4.6 まとめ
5 ラジカル反応
5.1 ラジカル
5.1.1 安定性
5.1.2 閉殻分子からの発生
5.1.3 代表的な反応
5.1.4 連鎖機構と非連鎖機構
5.2 ラジカル連鎖反応
5.2.1 置換反応
5.2.2 付加と分裂反応
5.3 非連鎖ラジカル反応
5.3.1 光化反応
5.3.2 金属による還元と酸化
5.3.3 環化芳香族化
5.4 その他のラジカル反応
5.4.1 アニオン性 1,2-転位:非共有電子対の反転
5.4.2 三重項カルベンとニトレン
5.5 まとめ
6 遷移金属反応
6.1 遷移金属の化学
6.1.1 構造の書き方
6.1.2 電子数の数え方
6.1.3 典型的な反応
6.1.4 化学量論反応と触媒機構
6.2 付加反応
6.2.1 後期金属触媒水素化とヒドロメタル化(Pd,Pt,Rh)
6.2.2 ヒドロホルミル化(Co,Rh)
6.2.3 ヒドロジルコニウム化(Zr)
6.2.4 アルケンの重合(Ti,Zr,Scなど)
6.2.5 アルケンのシクロプロパン化,エポキシ化,およびアジリジン化(Cu,Rh,Mn,Ti)
6.2.6 アルケンのジヒドロキシル化とアミノヒドロキシル化(Os)
6.2.7 アルケンとアルキンへの求核付加(Hg,Pd)
6.2.8 共役付加反応(Cu)
6.2.9 還元的カップリング反応(Ti,Zr)
6.2.10 Pauson-Khand反応(Co)
6.2.11 Dotz反応(Cr)
6.2.12 金属触媒付加環化と環化三量化(Co,Ni,Rh)
6.3 置換反応
6.3.1 水素化分解(Pd)
6.3.2 ハロゲン化アルキルのカルボニル化(Pb,Rh)
6.3.3 Heck反応(Pd)
6.3.4 金属触媒求核置換反応:熊田,Stille,鈴木,根岸,Buchwald-Hartwig,薗頭,およびUllmann反応(Ni,Pd,Cu)
6.3.5 アリル置換(Pd, Ir)
6.3.6 アルケンのパラジウム触媒求核置換:Wacker酸化
6.3.7 C―H活性化反応(Pd, Ru, Rh)
6.3.8 Tebbe反応(Ti)
6.3.9 コバルト―アルキン錯体におけるプロパルギル置換
6.4 転位反応
6.4.1 アルケンの異性化(Rh)
6.4.2 オレフィンとアルキンのメタセシス(Ru,W,Mo,Ti))
6.5 脱離反応
6.5.1 アルコールの酸化(Cr,Ru)
6.5.2 アルデヒドの脱カルボニル化(Rh)
6.6 まとめ
7 総合問題
1.1 有機化合物の構造と安定性
1.1.1 構造式を書くときのルール
1.1.2 Lewis構造式と共鳴
1.1.3 分子のかたち:混成
1.1.4 芳香族性
1.2 Bronsted酸性度と塩基性度
1.2.1 pKa値
1.2.2 互変異性
1.3 反応速度論と熱力学
1.4 反応機構を書く前に注意すること
1.4.1 反応式の化学量論と読み方
1.4.2 反応で切れる結合とできる結合
1.5 変換反応の種類
1.6 反応機構の種類
1.6.1 極性機構
1.6.2 ラジカル機構
1.6.3 ペリ環状反応機構
1.6.4 遷移金属触媒および遷移金属介在反応機構
1.7 まとめ
2 塩基性条件における極性反応
2.1 置換反応と脱離反応
2.1.1 SN2機構による置換
2.1.2 E2とE1cB機構によるβ脱離
2.1.3 置換と脱離の選択性
2.2 求電子性π結合への求核種の付加
2.2.1 カルボニル化合物への付加
2.2.2 共役付加:Michael反応
2.3 C(sp2)-X σ結合における置換
2.3.1 カルボニル炭素における置換
2.3.2 アルケニルとアリール炭素における置換
2.3.3 金属挿入:ハロゲン―金属交換
2.4 C(sp3)-X σ結合における置換と脱離
2.4.1 SRN1機構による置換
2.4.2 脱離-付加機構による置換
2.4.3 一電子移動機構による置換
2.4.4 金属挿入:ハロゲン―金属交換
2.4.5 α脱離:カルベンの発生と反応
2.5 塩基で促進される転位反応
2.5.1 CからCへの移動
2.5.2 CからOまたはNへの移動
2.5.3 BからCまたはOへの移動
2.6 二つの多段階反応
2.6.1 Swern酸化
2.6.2 光延反応
2.7 まとめ
3 酸性条件における極性反応
3.1 カルボカチオン
3.1.1 カルボカチオンのエネルギー
3.1.2 カルボカチオン発生法:プロトン化の役割
3.1.3 カルボカチオンの典型的な反応:転位
3.2 C(sp3)-Xにおける置換とβ脱離反応
3.2.1 SN1とSN2機構による置換
3.2.2 E1機構によるβ脱離
3.2.3 置換と脱離の選択性
3.3 求核性C=C π結合への求電子付加
3.4 求核性C=C π結合における置換
3.4.1 芳香族求電子置換反応
3.4.2 ジアゾニウムイオン
3.4.3 脂肪族求電子置換反応
3.5 求電子性π結合における求核付加と置換
3.5.1 ヘテロ原子求核種
3.5.2 炭素求核種
3.6 まとめ
4 ペリ環状反応
4.1 はじめに
4.1.1 ペリ環状反応の種類
4.1.2 ポリエンの分子軌道
4.2 電子環状反応
4.2.1 代表的な反応
4.2.2 立体特異性
4.2.3 立体選択性
4.3 付加環化
4.3.1 代表的な反応
4.3.2 位置選択性
4.3.3 立体特異性
4.3.4 立体選択性
4.4 シグマトロピー転位
4.4.1 代表的な反応
4.4.2 立体特異性
4.4.3 立体選択性
4.5 エン反応
4.6 まとめ
5 ラジカル反応
5.1 ラジカル
5.1.1 安定性
5.1.2 閉殻分子からの発生
5.1.3 代表的な反応
5.1.4 連鎖機構と非連鎖機構
5.2 ラジカル連鎖反応
5.2.1 置換反応
5.2.2 付加と分裂反応
5.3 非連鎖ラジカル反応
5.3.1 光化反応
5.3.2 金属による還元と酸化
5.3.3 環化芳香族化
5.4 その他のラジカル反応
5.4.1 アニオン性 1,2-転位:非共有電子対の反転
5.4.2 三重項カルベンとニトレン
5.5 まとめ
6 遷移金属反応
6.1 遷移金属の化学
6.1.1 構造の書き方
6.1.2 電子数の数え方
6.1.3 典型的な反応
6.1.4 化学量論反応と触媒機構
6.2 付加反応
6.2.1 後期金属触媒水素化とヒドロメタル化(Pd,Pt,Rh)
6.2.2 ヒドロホルミル化(Co,Rh)
6.2.3 ヒドロジルコニウム化(Zr)
6.2.4 アルケンの重合(Ti,Zr,Scなど)
6.2.5 アルケンのシクロプロパン化,エポキシ化,およびアジリジン化(Cu,Rh,Mn,Ti)
6.2.6 アルケンのジヒドロキシル化とアミノヒドロキシル化(Os)
6.2.7 アルケンとアルキンへの求核付加(Hg,Pd)
6.2.8 共役付加反応(Cu)
6.2.9 還元的カップリング反応(Ti,Zr)
6.2.10 Pauson-Khand反応(Co)
6.2.11 Dotz反応(Cr)
6.2.12 金属触媒付加環化と環化三量化(Co,Ni,Rh)
6.3 置換反応
6.3.1 水素化分解(Pd)
6.3.2 ハロゲン化アルキルのカルボニル化(Pb,Rh)
6.3.3 Heck反応(Pd)
6.3.4 金属触媒求核置換反応:熊田,Stille,鈴木,根岸,Buchwald-Hartwig,薗頭,およびUllmann反応(Ni,Pd,Cu)
6.3.5 アリル置換(Pd, Ir)
6.3.6 アルケンのパラジウム触媒求核置換:Wacker酸化
6.3.7 C―H活性化反応(Pd, Ru, Rh)
6.3.8 Tebbe反応(Ti)
6.3.9 コバルト―アルキン錯体におけるプロパルギル置換
6.4 転位反応
6.4.1 アルケンの異性化(Rh)
6.4.2 オレフィンとアルキンのメタセシス(Ru,W,Mo,Ti))
6.5 脱離反応
6.5.1 アルコールの酸化(Cr,Ru)
6.5.2 アルデヒドの脱カルボニル化(Rh)
6.6 まとめ
7 総合問題