東大論文博士@創薬化学研究者のブログ

社会人が働きながら東京大学大学院で博士(薬科学)を取得したとある研究者の話

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【書籍】有機合成のためのフリーラジカル反応

ラジカル反応経験したことあります?
 
 
私は何回か経験したことがあります。
 
 
みなさんはどんなイメージを持っているでしょうか?
 
 
 
ラジカル反応は、反応を制御しにくい、官能基選択性が低い、厳しい反応条件が必要となるというイメージから、有機合成化学での利用は難しいと考えられがちです。
 
 
しかし、近年では、温和で官能基選択性の高い反応が多数開発されており、ラジカル特有の反応がさまざまな基質に広く利用されています。
 
 
この本では、そのような有機合成化学でのラジカル反応の活用法を、千以上の論文に基づいて記載しています。
 
 
現場の研究者が利用しやすいよう、反応機構から合成例までをまとめた一冊です。
 
 
 
 
個人的には、合成ルートに最初からラジカル反応は組み込まず、詰まったときにラジカル反応を検討する感じですかね。
 
 
ラジカルだけまとめた本は少ないので、勉強になります。
 
本の虫のイラスト(男性・触角なし)
 
 
 
内容は以下
1 フリーラジカルとは
 1.1 フリーラジカルの特徴
 1.2 身近なフリーラジカル
 1.3 安定な合成フリーラジカル
 1.4 フリーラジカルの物理化学的特性
2 官能基変換反応
 2.1 ラジカルの二量化反応
 2.2 還元反応
 2.3 アルコールへの変換
 2.4 その他の官能基への変換反応
3 分子内環化反応
 3.1 小員環への環化反応
 3.2 中大員環への環化反応
 3.3 環拡大反応
 3.4 骨格構築反応
4 付加反応
 4.1 アルケンへの付加反応
 4.2 アリル化反応
 4.3 付加‐環化反応
 4.4 カルボニル化反応
 4.5 アルキンへの付加反応
5 芳香環のアルキル化反応
 5.1 酸化的条件 
 5.2 非酸化的条件
 5.3 光化学反応
 5.4 その他
6 分子内水素引抜き反応
 6.1 Barton反応
 6.2 アルコキシルラジカルのβ開裂反応
 6.3 Hofmann-Löffler-Freytag反応
 6.4 炭素ラジカルの1,5-Hシフト反応
7 核酸や糖質ヒドロキシ基の還元反応
 7.1 Barton-McCombie反応
 7.2 Barton-McCombie脱アミノ化反応
8 Barton脱炭酸反応
 8.1 還元反応
 8.2 ハライドへの変換反応
 8.3 カルコゲニドへの変換反応
 8.4 その他の官能基への変換反応
 8.5 炭素‐炭素結合形成反応
9 Wohl-Ziegler反応のFenton反応
 9.1 Wohl-Ziegler反応
 9.2 Fenton反応
10 金属水素化物によるラジカル反応
11 フリーラジカルの立体制御反応
 11.1 還元反応
 11.2 炭素‐炭素結合形成反応 
12 生体関連のフリーラジカル
 12.1 ビタミンB12
 12.2 エン・ジイン反応 
 12.3 1,2-転位反応
13 医薬や天然物合成への利用

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